2724.今日の植物(2207):アラビアチャノキ
アラビアチャノキは、ニシキギ科 Catha属(アラビアチャノキ属)に分類される植物で、The Plant Listにはこの属には3つの種があるとされている小さな植物群です。
切手に描かれているCatha edulis種について、日本語版のウイキペディアにも詳細な情報がありましたので、ご紹介します。
この種は、アラビア語からカートとも呼ばれているそうで、切手の発行国のエチオピアから南アフリカに至る地域に分布しています。和名の属名に「チャノキ」という言葉が入っていますが、ツバキ科のチャノキとは全く関係のない、ニシキギ科に分類されています。
この植物は、葉を噛んでその汁を飲む嗜好品として一般的に使われているのだそうです。しかし、その葉にはカチノン、カチンという興奮性の物質が含まれており、その葉は規制の対象となっていないものの、この両物質は国際的に規制の対象とされているようです。
カートの新芽を噛むと高揚感や多幸感が得られるのだそうです。飲酒が禁止されているイスラム世界では、カートが酒の代用となる嗜好品として重要な換金植物になっているようです。
切手を発行したエチオピアではコーヒー豆が主要な外貨を得る農産物でしたが、国際的な価格低下を前にこのカート栽培に転換しているという現状もあるようです。
写真です。これもネットから借用です。この植物の名前は他にもアビシニアチャ、アフリカツバキなどがあり、現地ではガット、チャット、ミラーなどとも呼ばれているということです。
アラビアチャノキ(カート) Catha edulis
ドライメッシュ 長袖ジップアップシャツ バートル 413 吸汗速乾
●右の写真は、ウイキペディアに掲載されていたもので、「カートを噛む男性。イエメンのサヌア」という説明がつけられていました。確かに「多幸感」がうかがえます。
切手です。
アラビアチャノキ(カート) Catha edulis
2008年 エチオピア発行(薬用:健康キャンペーン)
●3枚セットで発行されたこのセットの発行趣旨が「薬:健康キャンペーン」だということは、Colnectという世界の切手を集めたサイトの記事に「Medicine(Health Campaign)」とあったことによります。その記事には「Khat Chewing and It's Consequence(カートを噛むこととその結果)」という言葉が付け加えられています。
これ、カートが健康のために有用だと言っているのでしょうか、あるいは有害だからやめようと言っているのか?
2723.今日の植物(2206):クネマ
クネマはニクズク科 Knema属(クネマ属)の植物で、The Plant Listには11の種があげてありましたから、小さな植物群ということになりそうです。
ウイキペディアの情報によりますと、Knema属の植物はアジアからニューギニアの低地の熱帯林に分布しているそうで、中でもボルネオに多く分布しているのだそうです。
切手に描かれているKnema globularia種についてウイキペディアに情報がありました。それによりますと、この種はカンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイといった広い地域に分布してるということです。しかし、危険度は低いものの絶滅が危惧されている種でもあるようです。
他の情報源によりますと、この種は岩の多い崖部分に生育し樹高は4,5メートルから20メートルになるものもあるということです。果実の中身は鮮やかな赤色をしていて、これは種を拡散するために鳥の注目をひくのが目的だということです。
一時は、絶滅したと考えられた時もあったようですが、再発見されるもやはり絶滅が危惧されています。
写真です。ネットから借用しています。
クネマ・グロブラリア Knema globularia
切手です。
クネマ・グロブラリア Knema globularia
2004年 シンガポール発行(花と生物)
●この切手と一緒に発行された切手はこちらです。他の3枚は、植物以外の生物が描かれています⇒切手植物図鑑
2722.今日の植物(2205):ナンキョクブナ
ナンキョクブナは、ナンキョクブナ科 Nothofagus 属(ナンキョクブナ属)の植物で、The Plant Listには40の種が記載されています。
ウイキペディアの情報によりますと、この属に分類される種は、南米のチリ、アルゼンチンやオーストラリア東南部、ニュージーランド、ニューギニア、ニューカレドニアといった地域に自生しており、これらの分布域の温帯林で優勢な植物になっているということです。いくつかの種は、ドイツや英国に入り現地で自生化したものもあるということです。
また、化石としても広い範囲で見つかる植物でもあります。
切手に描かれているNothofagus pumilio種は、アンデス山脈の南部、チリやアルゼンチンの温帯林に自生している種です。
ウイキペディアには、この種が山林火災の後でいち早く再生することができるという情報もありました。また、材は適度な耐久性を持ち加工しやすく、単独や組み合わせて家具の素材として、時にはAmerican black cherryの代用品として使われるのだそうです。
属名のNothofagusについては面白い情報がありました。この属の命名者であるCarl Ludwig Blume氏は、この植物をNotofagus(南のブナ属)としようと思っていたのだそうです。しかし発表した文献には誤って「h」が入ってしまい、Nothofagus(偽のブナ)となったのだとか。日本語名には「南」が入っていますから、その意味では氏の意志を継いだ名前になっているとも言えそうです。
かつては、この科はブナ科とされていました。エングラーの分類体系ではブナ科とされ、クロンキストの体系以降でナンキョクブナ科とされるようになったようです。Nothofagusの1属だけが分類される、1科1属の科です。
写真です。ネットから借用しています。化石の写真もありました。
ノトファグス・プミリオ Nothofagus pumilio
切手です。
ノトファグス・プミリオ Nothofagus pumilio
2003年 アルゼンチン発行(UPAEP)
●このUPAEPは、メキシコのプエブロにあるUniversidad Popular Autonoma del Estado de Pueblaという私立の大学のことだそうです。どのような経緯でこの切手が発行されたのかよく分かりませんでした。
2721.今日の植物(2204):シャボンノキ
シャボンノキは、バラ科 Quillaja saponaria属(シャボンノキ属)の植物で、The Plan Listによれば、この属に分類される種は2種があるだけという小さな属です。
ウイキペディアの情報によりますと、この属は新しい分類体系ではキラヤ科という新しい科に分類されるのだそうです。しかもこの科に分類される属はQuillaja saponaria属の一つしかないということですから、1科1属2種の植物群ということになります。
切手に描かれているQuillaja saponaria種は、チリの中央部の温暖な環境に生育しているということです。樹高は15~20メートルになり、白い星型の花を咲かせ、乾いた果実をつける植物だということです。
そしてこの和名にもありますように、この植物はサポニンという物質を含んでいて、発泡性を持っています。アンデスの人々にとっては長い歴史を持った薬用植物であり、様々な胸部の病気の治療薬として使われてきたということです。さらには、食品添加物、発泡剤として消火用途にも使われるという誠に広い用途の植物のようです。
また、この植物から採取されるサポニンには免疫反応を高める力があると考えられており、Novavax社が開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)対応のワクチンにもこの種からのサポニンが使われているという情報もありました。
そういえば、サボンソウという植物もありました。そちらもサポニンを含んでいて、属名がSaponariaと「そのもの」です。
写真です。2つの種の写真を見つけました。
(左)シャボンノキ Quillaja saponaria
(右)キラヤ・ブラジリエンシス Quillaja brasiliensis
大工道具 金切鋏 カッターの貝印カッターSC-020 糊が付きにくいセラミックふっ素樹脂加工ホルダー 刃が飛び出さないオートロック式スライダーです 貝印 職専ロックSふっ素G SC-020
切手です
シャボンノキ Quillaja saponaria
2000年 チリ発行(薬用植物)
2720.今日の植物(2203):ファビアナ
ファビアナは、ナス科 Fabiana 属(ファビアナ属)の植物で、The Plant Listには15の種があげてありましたので、小さな植物群ということになりそうです。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物は南アメリカの西部を原産とする植物で、針のように細い葉と筒状の花を咲かせるところが共通の特徴だとされています。葉が似ているところからfalse heath(ヒースもどき)と呼ばれているようですが、分類的には全く違った植物です。
またその葉は、伝統的に利尿剤や消化薬として使われてきたそうで、現在でもさらなる用途の研究がなされているということです。
写真です。これもネットから借用しています。
ファビアナ・インブリカタ Fabiana imbricata
切手です。そのチリから薬用植物を描いた切手として発行されています。
ファビアナ・インブリカタ Fabiana imbricata
2000年 チリ発行(薬用植物)